眼精疲労と疲れ目の違い
2016年10月27日
眼精疲労と疲れ目の違い
疲れ目という言葉は、眼科的には2種類に分類されます
休憩によって回復するのが眼疲労
休憩をとっても痛みやかすみ、頭痛などの症状が残るのを眼精疲労と言っているそうです
一般的に疲れ目といっているのは前者で眼精疲労はより重い症状のことを指します
眼精疲労の主な自覚症状は目に関するものとしてかすみや視力の低下など
また目以外でもカラダの痛み、胃痛や食欲不振、便秘などがあ起こることがあります
さらに進行するとイライラや不安感、抑うつといった症状へと発展することもあります
眼精疲労を引き起こす原因は様々で、主に視器要因、環境要因、心的要因、の3つに分類できます
視器要因には屈折異常(近視、遠視、乱視)や調節異常(老眼)
など、眼の各種疾患があります
環境要因としてはVDT作業におけるモニターの高さ、モニター画面への映り込み。部屋全体の明るさ、乾燥、エアコンやパソコン、周辺機器が発する騒音などがあります
心的要因は、仕事上のストレス、神経症、自律神経失調症など多種多様です
また長時間作業で目が疲れるのとは逆に、眼の異常があってそのせいで疲れが生じるケースもあります
例えば、緑内障で眼圧が上がり、その結果目の疲れを感じることがあります
緑内障は一般的に徐々に症状が進行するため、視野の欠けなどの自覚症状に気が付いたときには深刻な状態になっていることが多い病気です
ドライアイとともに多い症状が眼精疲労です
ドライアイの症状を訴える約60%は同時に目の疲れを感じていまう
ここ近年ではコンピュータの普及とともに増加し続けるVDT(visual display terminal)症候群(テクノストレス症候群)と眼精疲労の問題です
ドライアイとは?
目は常に涙(涙液)で潤っています
ドライアイは目の表面を覆う涙液の量が減り、角膜が部分的に露出してしまうことで目にダメージを受ける状態を指します
ではドライアイはなぜ起きるのでしょうか
涙液は目の乾燥の防御、角膜への栄養補給、角膜や結膜についた汚れや細菌などの除去、といった重要な働きを狙っています
詳しく見ていくと涙液は1角膜の上にある親水性のムチン層2涙腺からでる
涙液の水層3外気に触れる油層の3つの層で構成されています
ムチン層はいわゆる粘液で涙と角膜を結びつける働きをします
水層は目に潤いを与え汚れや細菌などの除去を行います
同時に栄養分を補給する役割を担います
油層は涙の蒸発を防ぎます
目が乾けばこれらの働きが損なわれて角膜がダメージを受け、目がゴロゴロしたり疲れや充血、痛みの原因になります
目はまばたきによって涙が目の表面を潤し、酸素や栄養分が補給されます
ところが集中してコンピューターの画面や小さい文字を見続けるとまばたきの回数が減り、一時的なドライアイになります
VDT症候群
VDT作業でドライアイを引き起こす主な原因として1モニター画面の中心位置が目線より高い2部屋全体が乾燥している3夜間作業
1目あ上向きになりまぶたが大きく開くことにより、涙液の蒸発を促進してしまいます
2乾燥した環境もよくありません
さらに夜間は涙の分泌が昼間よりも少なくなるため
夜間作業は目に大きな負担となります
ちなみに緊張した状態でも涙は出にくくなり
つまり、ストレスもドライアイの要因となります
加えてモニター作業では画面を凝視する時間が長いため
まばたきお回数が減ります
目はまばたきによって涙の分泌を促しておりまばたきの減少もドライアイを引き起こす要因となります
また長時間同じ姿勢での作業にとなるので首肩腰腕などの痛みの原因にもなります
このようにVDTを使う作業による疲れで身体の不調を生じることをVDT症候群と呼びます
従来の眼精疲労治療法としては眼鏡の調整、ビタミンB12点眼
調節賦活剤の点眼といったものがほとんどで眼精疲労を訴える方には決して満足のいくものではありません
例えば眼科では温罨法と冷罨法という処置があり温める、冷やすのいずれも疲れ目に効果があります
血管はひやすと収縮し、温めると拡張します
要するに血管を刺激して血液の循環を促進することで目や目の周辺の筋肉の老廃物を取り去り、リフレッシュさせるという方法です当然、目の周りをマッサージすることも効果的ですただし目の状態によっては温めない方がいい場合もありますので注意が必要です
めが炎症を起こしている場合や充血している場合には冷やした方が良いです
また室内の乾燥を防ぐ加湿器は目の保湿に効果的です
日ごろ目がゴロゴロしたり目の渇きを感じたりした際に市販の点眼薬を使うことがあります
市販及び眼科で処方されるほとんどの点眼薬には防腐剤が入っているので注意が必要です
ドライアイになった目は防腐剤の影響をダイレクトに受けます
そもそも細菌などの増殖を防ぐ防腐剤は目の細胞によくありません
目を潤す点眼薬を使うときはなるべく防腐剤の入っていない
製品(人工涙液)をなるべく選ぶべきです