休業損害
2016年10月20日
交通事故によって障害を負った場合、障害の程度によっては、仕事をすることができなくなってしまうということもあります。その場合、障害によって休業したために得ることができなくなった収入を<休業損害>として賠償請求することができます。
休業損害とは
交通事故に遭った場合に賠償を請求できる損害として、消極損害があります。
これは交通事故に遭わなければ得ることができていたであろう収入等(広義の逸失利益)を損害とするというものです。
この消極村議の1つとして休業損害というものがあります。
休業損害とは交通事故によって障害を負ったために休業を余儀なくされ交通事故によう休業がなかったならば得ることができたはずの収入、利益として賠償請求できるというものです
傷害事故の場合
後遺障害のない傷害事故の場合には、交通事故による受傷から障害が治癒して
仕事に復帰できるまでの間の休業について休業損害を請求することになります
後遺障害事故の場合
後遺障害が残ってしまった傷害事故の場合には、交通事故による受傷から症状固定時までの間の休業について休業補償を請求できます
症状固定後については休業損害は認められませんが、逸失利益の損害賠償請求が認められる場合があります。
脂肪事故の場合には、交通事故による受傷から死亡時までの間の休業について
、休業損害を請求できます。
死亡時以降については、後遺障害の場合と同様に逸失利益を損害賠償請求することになります。したがって、即死であった場合には逸失利益のみが問題となり、休業損害は問題とならないということになります。
自賠責保険の基準においては休業損害は実休日日数1日あたり5700円が原則となります
休業損害=5700円×休業日数
もっとも例外的に1日の収入額が5700円を超えると認められた時にはその実額を1日あたりの金額として算定することができます
(ただし1万9000円が限度)
裁判での基準としては休業損害は1日あたりの基礎収入に休業日数を乗じて計算します
休業損害=1日あたりの基礎収入×休業日数
休業損害の算定方法自体は上記の通り単純です
しかし基礎収入をどのように考えるべきか休業日数をどのように考えるべきかなど個々の問題については争いとなることが少なくありません。
基礎収入の問題
前記の通り休業損害については基礎収入をいくらにすべきかという「ことは大きな問題となってきます
例えば、賃金額が一定で変動の小さいサラリーマンや公務員などはそれほど算定が困難となるわけではありません
基礎収入の算定で争いになることは少ないでしょう
ただし昇給、賞与退職金などをどのように取り扱うべきかは争いとなる場合があります
しかし個人事業主など収入額が一定でない場合には収入額が大きいときもあれば小さいときもあるためどの時期の収入を基準として算定するか問題となってきます
また会社役員なそも報酬のうち定額部分についてはさほど問題にはならないでしょうがそうではない利益に応じて支払われる報酬部分んどについては争いになる場合ああります。
現実の収入がない場合には原則として休業損害は認められませんが専業主婦などの家事従事者やアルバイトしている学生などについては休業損害が認められる場合があります。
休業損害においては基礎収入の算定だけでなく、休業日数についても問題になることがあります。
入院している期間についてはさほど問題なくカウントして良いでしょう
入院している以上通常通り就業できないのは明らかだからです
ただし例外的に過剰な入院などの場合には問題になるときがあります。
休業日数で問題なのはやはり退院後・通院中の期間でしょう
本当に就業することができなかったのかという点が問題になってくるのです
仮に実際はその期間就業することが可能な状態であったということであれば
その就業可能となったとき以降の日数は休業日数に含めることができないということになります