ビフィズス菌
2016年12月8日
ビフィズス菌=乳酸菌と思っている方も多いと思いますが、分類学的に菌の性質も異なります。
腸の中に存在する善玉菌ということは同じなのです。整腸作用という面では同じ働きです。
しかし生物学的には違うものになります。
ビフィズス菌とは。。。
乳酸と酢酸を作り出す細菌で生物学的にはビフィドバクテリウムと言います。
人間の腸内に存在する善玉菌の99.9%を占め、その数は乳酸菌の約100~1万倍にあたる1兆~10兆個存 在すると言われています。Y字やV字型に分岐した形でラテン語で分岐の意味を持つビフィズスの名前が付けられました。
主に人や動物の腸内に生息し、酸素がないと生育できない変性嫌気性という性質を持っています。
乳酸菌のように自然界で幅広く生息することはできません。
ビフィズス菌は糖を分解して乳酸を作り出します。
なた乳酸菌と大きく違うのは強い殺菌効果を持つ酢酸やビタミンB群、葉酸を作り出す点です。
乳酸菌とは
乳酸を作り出して体に良い働きをする細菌の総称で生物学上の分類である菌属としてはラクトバチルス乳酸桿菌ラクトコッカス乳酸球菌などになります。
腸内では主にビフィズス菌のサポート役になりビフィズス菌が生息しやすい環境を作る役割を担ってい ます。
人間の腸内には善玉菌の0.1%以下にあたる1億~1000億個。ビフィズス菌の1万分の1~100分の1の少なさです。
乳酸菌は球状乳酸球菌と棒状の乳酸桿菌とがあります。
人や動物の腸内の他に、牛乳や乳製品、漬物などの発酵食品にも見られ、空気(酸素)があっても生育できる通気性嫌気性という性質を持っています。ビフィズス菌と異なり、自然界に広く生育しています。
乳酸の定義のひとつに糖グルコースを分解して作る代謝物の50%以上が乳酸であることがあります。ビ フィズス菌も糖から乳酸を作り出しますが、それ以上に酢酸を作るので厳密には乳酸菌の一種とは言えません。
乳酸菌の第一の有効性は酸を作る働きで、大腸菌やウェルシュ菌などの悪玉菌は酸をとても嫌うので知腸内環境が乳酸優勢になって酸がたくさん作られると腸内が酸性にかたむいて悪玉菌は追い出されてしまうのです。
また腸内に残った悪玉菌も増殖を抑えられてその縄張りが縮小します。
乳酸菌の作る酸は腸内環境を良好に保つために不可欠なものなのです。
得にビフィズス菌の作る酸は悪玉菌退治に役立ちます。多くの乳酸菌は乳酸だけを作りますが、ビフィズス菌のは乳酸の他に酢酸も作り出し、これが悪玉菌の増殖を強力に抑え込む力があります。
また乳酸菌のつくる酸には悪玉菌がまき散らす有害物質、すなわちインドールやスカトール、フェノール、ニトロソアミン、アンモニアといった発がん等を誘発する恐ろしい毒物の産生を抑制する働きもあります。
乳酸菌は悪玉菌の数を減らし、居残った悪玉菌の悪さも最小限に封じ込めてくれます。