過失割合
2016年10月17日
自動車事故が起こると当事者双方のどちらからが交通違反及び不注意の責任が大きいのかを判断されることになります。
この時出される責任の割合の事を<過失割合>といいます。
過失割合とは?
自動車事故のほとんどは、当事者双方に何らかの過失があることで起こります。
例えば信号のある交差点を右折時に直進車と衝突した場合、優先は直進車なので
右折車にすべての非があると思われがちでしょう。
しかし、実際には直進車の不注意や、スピードの出しすぎなどの過失が問われるケースが少なくありません。
自動車事故において、どちらか一方にすべての責任が及ぶことは非常にまれなのです。
そぢてこの割合を数字で表して損害賠償額の比率を分かりやすくしたものが
過失割合といいます。
割合は80:20や60:40などと表し、それぞれ下限は0で上限は100です。
過失割合が大きい当事者は事故における加害者、過失割合が小さな当事者は被害者と呼ばれます。
ただ被害者といえども上記のように過失があるケースが多いため、いくらかの損害賠償を支払う義務が生じます。
過失相殺とは?
損害賠償額を算出する際に、過失割合に応じて被害者側の被害者側の過失額を減額することを指します。
つまり被害者にも損害賠償額を支払う義務が生じるとはいえ、実質の支払い額は0円になることがあるのです。
過失相殺の例
信号のある交差点で右折車が直進車と衝突しました。
本来、直進車が優先される状況のため、右折車の過失割合が大きく、直進車の過失割合は小さくなります。
具体的な過失割合と損害賠償額は下記の通り
右折車はA 直進車はB
過失割合 A80% B20%
Aの損害200万円
Bの損害150万円
AからBへの損害賠償額:120万円(150万円×80%)
BからAへの損害賠償額:40万円(200万円×20%)
AとBの損害賠償額を計算するとAがBに80万円支払うことになります。
(120万円-40万円)
これが過失相殺の概要です。
また交通事故における損害賠償額は上記のような計算方法をとっているために
加害者の過失が大きいにもかかわらず、被害者だけが損害賠償額を支払わなければならない
事例も起こります。
例えば上記と同じ過失割合で、Aの損が300万円、Bの損害が50万円だったとします。
するとAからBの損害賠償額は40万円(50万円×80%)、BからAの損害賠償額は60万円(300万円×20%)となり、BがAに20万円支払うことになるのです。
(60万-40万円)
過失割合の決定方法
過失割合の決定は当事者が契約する保険会社同士の協議によって行われます。
これは過失割合の決定があくまで民事上の問題だからです。
現場に立ち会うのは警察であることから、警察が決定に関与していると思われがちですが
あくまで現場確認及び、事実の記録のみしか行っていません。
また各保険会社が過失割合を決定する際には道路交通法に基づき、公平な見地で算出しおります。加えて
事故に類似した過去の裁判判決を基準にしているため、契約する保険会社によって割合のへんどうが
起こることもありません。