自律神経反射
2017年02月3日
鍼灸でよくこのツボは内臓に関係があるとか言われたことある方もいると思いますが、現代科学でしっかりとそれが証明されていることがいくつかあります。
それが自律神経反射。体性自律神経反射とか体性内臓神経反射とも言われます。
人間には神経というものがあります。中枢神経系と末梢神経系です。その末梢神経に感覚神経、運動神経、自律神経があります。
感覚神経はその名の通り感覚のものです。感覚神経にも種類がいくつかあり、痛いとか熱いのもの。今、腕はこの辺をこう動かしているみたいという感覚も感覚神経のおかげです。
運動神経はこう動け!!と命令する神経です。顔や手足、眼などあらゆるところにあります。
自律神経は名前の通り自律している神経です。自分たちの意識とは別に与えられた仕事を常に機械的にこなしている神経です。
鍼灸の施術はこの自律神経を使って施術しています。
鍼が刺さると感覚神経が鍼が刺さりました~と脳に信号を送ります。
そして脳はその刺激を受けて何かしら指示を出します。その作用が内臓に行ったりするのです。
神経というのはある程度独立しているということはありません。簡単にいうと同じ高さにあるものは同じ神経で支配されていることが多いです。
例えば背中とかは同じ位置に肺や心臓があるのでそこに鍼をすると肺や心臓とおなじ枝の神経に刺激が入るので何か反応が起きると考えます。
それが手や足も本幹の方に行くと、胃とか腸の神経と同じ出入り口から出ているので手足に鍼などをしても胃とか活発になると言われています。
人間には恒常性といい、ある程度決められている「健康」という状態を維持しようとします。
鍼が刺さることは正常な状態ではありません。その時に異常を治そうとする力を使います。なので鍼はなるべく細く少なく効果が出せればそれに越したことはないのです。
逆に刺激を与えすぎると反応が強く出て良くないときもあります。
鍼をすると自律神経に反射が起きるので交感神経と副交感神経に影響がでます。
とくに鍼をすると副交感神経が働くと言われています。副交感神経の働きとして、血圧を下げたりする作用があります。
鍼刺激とかが強すぎて副交感神経が急にスイッチ入ると、血圧が急に下がるのでめまいや眠気が襲います。
また副交感神経は腸の活動を活発にするので刺激が強すぎると下痢を起こすことがあります。
なので刺激量の調整というのが鍼灸師の裁量になってきます。
現代はストレス社会といわれています。よく聞く不眠や体調不良は交感神経が優位な症状がほとんどです。また交通事故でのむち打ちや後遺症も事故直後は交感神経が興奮しているので気がつかないものなどが多いです。
そのために自律神経を安定させてあげる方法の1つとして鍼灸は役に立つと思います。
快適な身体作りは薬や病院ではありません。普段の食事や睡眠が基本になってきます。
しっかりとした睡眠や食事を摂れる身体作りをしていきましょう。