睡眠時間
2017年02月16日
日本人の睡眠時間はこの半世紀で緩やかに減ってきているそうです。
NHKの国民生活時間調査(2010年)では、平日の睡眠時間は7時間14分。40代~50代は6時間台と最も短い時間です。
調査方法が違うため単純には比較できませんが、調査を始めた1960年より1時間ほど減っているらしいのです。
日本の睡眠時間は世界の中でも短く、平均睡眠時間は1位のフランスより1時間も短く、18か国中、韓国についで2番目に短かった。
また夜型人間も多くなっており、60年に7割近くが10時半までには床についていたが、90年代半ば以降は3割にも満たず、高校生の7割が午前0時を過ぎても、起きていました。
眠りたいのに寝むれない人も多く、成人の5人に1人が不眠に悩み、20人に1人が睡眠薬を使っているとの報告もあります。
エスエス製薬が03年、処方箋なしで買える睡眠改善薬を市販したら1ヶ月で年間目標を達成したそうです。
不眠は高齢化とも関係があり、年をとるにつれて寝つきが悪い、夜中に目が覚めるなどのなやみを持つ人が増えます。
寝る時間はたっぷりあるのに睡眠の質は悪くなっていくということになります。
高齢者の睡眠障害の原因は、身体を成長させる必要がなくなるため、睡眠量が減るということになります。
眠りが浅くなるのは身体を成長させるノンレム睡眠が不要になるからです。
子供の頃は骨や筋肉を成長させるために揺り動かしても起きないほどの深い眠りになります、これは身体を作る成長ホルモンを多量に分泌するためです。
しかし高齢になると身体を成長させる必要がありません。
成長ホルモンには免疫力を増長させる役割があるのですが、その必要もなくなるのです。
むしろ高齢者は免疫力が低下していく傾向にあります。
こればかりは遺伝子にプログラムされているので仕方のないことです。
また高齢者は睡眠が途中で途切れたり、夜中に目が覚めたり、早朝に覚醒することが多くなります。
これは睡眠の持続困難であり睡眠力が低下しているせいです。
高齢者の睡眠を深くしてノンレム睡眠を増やすには生活に運動を取り入れることです。
そうすると身体の疲労を回復させようとするのでノンレム睡眠時に成長ホルモンが多く分泌されるようになります。若いころと同じように深い睡眠が得られるのです。
運動をして筋肉を付けることはメタボリックシンドロームの改善にもつながります。
血中脂質、血糖値、血圧を下げて、血液をサラサラにする効果があります。
さて、夜型になっている人達ですが、昼間は交感神経が働いて、活動的になり、夜間は副交感神経が優位になって心身を休ませる。これが人体の一日のリズムです。
しかし、夜型の生活が続くと、交感神経が優位なままで身体の活動モードが続いてしまいます。
やがて本来の身体のリズムが乱れ、心身に様々な変調が起こります。
自律神経失調症や高血圧、肥満、糖尿病、、イライラ、不安感など深刻な場合はうつ病にもなりかねません。
心や体の不調を訴えるサラリーマンやOLは少なくありません。
寝ずに働く人が褒められ、睡眠は軽視されがち。だから普段睡眠不足に陥りやすいのかもしれません。
会議でいつも眠くなる。週末は寝て過ごすという人は普段の眠りに問題があるのかもしれません。
もちろん朝型。夜型などいろんな人がいるのも当然だし、夜働く人がいるおかげで社会は成り立っています。みんなに8時間睡眠を促すより、、夜勤者が夜勤明けにきちんと休めるように制度を整えるほうが大事だという意見もあります。